Geteron・Kailh・TTCの軽いリニア軸3種を比較してみた
こんにちは。sQuirlyです。
近年、ゲーミングデバイスメーカーから「ホットスワップ対応」を謳うキーボードが続々と登場し、トレンドになりつつありますね。
筆者は、今まで大手ゲーミングメーカーのRazerさんから初めて出た60%キーボードの「huntsman mini」を愛用してきました。
しかし、FPSゲームをプレイする上で、左手の小指で操作する「左Shiftキー」や「左Ctrlキー」を長時間押しているうちに指先が痛くなってくるのが悩みでした。
そこで、ホットスワップに対応した「Ducky one 3」を入手することが出来たので、今回は、快適性をあげるべく、いろんなスイッチを試してみたいと思います!
ホットスワップとは何ぞや?
まず、冒頭で出てきた「ホットスワップ」というワードですが、キーボードに備わっているスイッチを取り外すことが出来ることを言い、メリットとしては大まかに2つあります。
- よく使うキー(例えば、ゲームの移動キーとして使われるWASDキーなど)が故障したときに、単体で交換が可能であり、コスパが非常に高い。
- ユーザーの主な使用目的に合わせて、キー単体ごとにスイッチの種類(打ち心地)をカスタマイズすることができ、快適感を上げられる。
ユーザーにとっては、いずれのメリットも大変喜ばしいものとなっています。
デメリットとしては、スイッチを交換するときに慎重に取り付けないとピンが折れてしまうくらいでしょうか。
押下圧の低いスイッチを集めてみた
今回は、冒頭のように長時間タイピングによる小指へのダメージを軽減することが目的のため、押下圧の低いスイッチで人気のあるものを集めてみました。
スイッチ名 | 押下圧 | アクチュエーションポイント | キーストローク | 耐久性 |
---|---|---|---|---|
Geteron White | 35±15gf | 2.0±0.6mm | 4.0±0.6mm | 約5000万~1億回 |
Kailh Silent Pink | 35±10gf | 1.8±0.4mm | 3.6±0.4mm | 約5000万~1億回 |
TTC Golden Pink | 37±5gf | 2.0±0.3mm | 4.0-0.3mm | 約1億回 |
Cherry MX Silent Red | 45±15gf | 1.9±0.6mm | 3.7-0.4mm | 約5,000万回 |
Razer linear optical | 45g | 1.2mm | 3.5mm | 約1億回 |
※「Cherry MX Silent Red」は、Ducky one 3に標準で装備されていたもの。「Razer linear optical」は、huntsman miniに標準で装備されていたものになります。
スイッチの軽さはGeteron Whiteが優秀
スペックシート上では、Geteron White・Kailh Silent Pink・TTC Golden Pinkともに、押下圧にはあまり差はないように思えます。
しかし、実際にキーボードに付け替えて操作してみると、明らかにGeteron Whiteが他のスイッチよりも、頭ひとつ抜けて軽いように感じました。
また、押下したときの摩れ感も無く滑らかにスッと降りてくれて、軽さや押下時の心地よさで言えば一番だと思います。
ただし、Kailh Silent PinkやTTC Golden Pinkのようなルブ(潤滑剤塗布)されていないため、底つきや戻り時の静音性に関しては皆無であり、プラっぽい安い音が鳴る点は残念だと感じました。
また、実用面だとゲームなどの移動キーなどでよく使うWASDキーに使用してみたところ、左Shiftキーなどを押したときに指を乗せているAキーが誤爆してしまうシーンが稀にありました。
筆者的には左Shiftや左Ctrlキーといった、小指で操作するキーに使うといった運用方法がベストだと思いました。
キーキャップの安定感ではTTC Golden Pinkが一番か
今回試したリニアスイッチの中で、Kailh Silent PinkやTTC Golden Pink、Razer linear opticalは、キーキャップのグラつきを低減させる、「BOX仕様」になっています。
十字の外側に丸や四角の枠がついているのが特徴的です。
その中でも、TTC Golden PinkとRazer linear opticalはキーキャップの安定感にかなり優れており、Realforceキーボードのような、カッチリとした感触を得られました。
また、TTC Golden PinkはGeteron Whiteに次ぐ、Kailh Silent Pinkと同等レベルの軽さがあり、キーキャップのグラつき低減も相まってか、誤爆することもないように感じられました。
ただし、ボトムハウジングが黄色でLEDの光が干渉してしまっているためか、他スイッチに比べて少し白っぽい色に発光してしい、ライティングを楽しむ場合には注意が必要そうです。
高速入力はRazer linear opticalに敵わなず
上記スイッチ群の中では、アクチュエーションポイント、キーストロークともにRazer linear opticalが一番短く、Silver軸のように、よりゲームに特化していると言えます。
ただし、オフィス作業においては誤爆がかなりの頻度で発生しストレスになるため、ゲーム以外の用途には向いていないと思いました。
静音性はKailh Silent Pinkが一番優秀
Kailh Silent Pinkは押下したときの摩れ音こそ気になるものの、底つきや戻りきったときの静音性に関しては一番優秀であることが分かりました。
軽さに関してもTTC Golden Pinkと同じくらいで、Cherry MX Silent Redよりは確かな軽さを感じられました。
また、Kailh Silent PinkもTTC Golden Pink同様のBOX仕様になっており、Kailh Silent Pinkほどではありませんが、キーキャップのグラつきが低減されているのが感じとれました。
配信やボイスチャットなど、打鍵音をなるべく乗せたくない場合には一番良い選択肢になりそうかと思います。
入手性と価格面について
入手性については、Geteron White・Kailh Silent Pink・Cherry MX Silent Redは、amazonや日本向けサイトで取り扱われていて、比較的簡単に入手することができます。
しかし、TTC Golden Pinkのみ海外サイトでしか見つけることが出来ず、購入から手元に届くまでに時間がかかるように感じました。
Razer linear opticalはスイッチ単体で売られていないので、キーボードごと購入する必要があります。
価格面については、Geteron Whiteが一番安く、次点にTTC Golden Pink・Kailh Silent Pink…と高くなっていきます。
- Geteron White=約43円/個~(amazon)
- Kailh Silent Pink=約74円/個~(amazon)
- TTC Golden Pink=約59円/個~(aliexpress.com)
- Cherry MX Silent Red=約121円/個~(遊舎工房)
また、Kailh Silent PinkよりTTC Golden Pinkの方が、スイッチ自体の値段は安いですが、海外から発送される送料が上乗せされるので、実質、同じくらいの価格になります。
まとめ
筆者の個人的な見解になりますが、今回試したスイッチの中では下記のように感じました。
静音性:
(低)Geteron White≦TTC Golden Pink<Cherry MX Silent Red≦Kailh Silent Pink(高)
スイッチの軽さ:
(軽)Geteron White≦TTC Golden Pink<Kailh Silent Pink<Cherry MX Silent Red(重)
キーキャップのグラつき:
(軽)TTC Golden Pink<Kailh Silent Pink<Geteron White=Cherry MX Silent Red(重)
Geteron Whiteは静音性に関しては厳しい反面、打鍵の滑らかさや、頭ひとつ抜けた軽さが特に優れていて、小指で操作する左CtrlキーやShiftキーなどに非常にマッチすると感じられました。
ノイズが気になる場合は、バネやツメなど摩擦する部分へ潤滑剤を塗布してあげることで、それなりに軽減されるかと思います。
ホットスワップして色々なスイッチを試せる楽しさ、みなさんも一度体験してみてください!